K-pop

JISOO:最も遅く始めて最も多くを変えた3年

2023年3月、JISOOの初のソロシングルアルバム『ME』が出た。ところがその音盤の作詞・作曲クレジットのどこにも彼女の名前はなかった。曲を作った者として記録されていたのは外部のプロデューサー陣だった。

それでもこの音盤は売れた。『ME』はHanteo Chart集計で発売5日目の2023年4月4日に100万枚を超え、初週だけで1,172,351枚が動いた。Hanteo Chart史上、女性ソロアーティストが初週ミリオンを記録したのはこのときが初めてだった。

だからこの文章が扱うのは成績表ではない。すでに最上位にいた人がその後何を変えようとしたのか、そしてその変化はどこで確かめられるのか、である。

チームの外で選んだ最初の方向

BLACKPINKは強いビートと揺るがない態度で語られるチームだった。ヒップホップとEDMを基盤に置いたサウンド、ステージを掌握するパフォーマンス、そして4人が共に生み出す密度が、そのチームの言語だった。

2023年12月、4人は所属事務所とグループ活動の契約だけを結び直した。個人活動の契約は更新しなかった。グループはそのまま維持しつつ、各自の名前で行うことは各自が決めるという選択であり、その後4人は実際に異なる方向へ歩いていった。

JISOOが選んだ方向は、音を大きくする側ではなかった。ソロの音楽で彼女は中低音の声色をそのまま残し、歌詞が伝える物語を前に出すポップを選んだ。華やかなラップや高音域の爆発を強調する代わりに、メロディが長く残る側を取った。デビューシングルアルバムの題が『ME』であったことも、この方向と無縁ではない。タイトル曲「FLOWER」は関係を整理して去っていく側の物語であり、収録曲「All Eyes on Me」は自分の値打ちを知り、その分を求める話者の物語だ。チームが共に歌っていた毅然さを、一人で歌う場所へ移してきたわけである。

名前が置かれる場所

表1. JISOOのソロ楽曲における作詞クレジットの変化

発売 作詞参加
2023年3月 「FLOWER」 なし
2025年2月 「earthquake」 あり
2025年10月 「Eyes Closed」 あり

2024年2月21日、JISOOは自身の名を冠したレーベルBLISSOOを設立した。blissJisooを合わせた名だった。翌年1月にはWarner Recordsとグローバルパートナーシップを結び、ソロ音源の企画と流通をグループ活動から完全に分離した。

そして2025年2月14日に出た初のミニアルバム『AMORTAGE』で、表の2行目ができた。収録された4曲すべての作詞にJISOOの名が上がり、アルバム企画全般を指揮したエグゼクティブプロデューサーとしても表記された。クレジットとは、誰が何を担ったのかが公式に残る場所である。2年のあいだに彼女の名がその場所に初めて上がり、しかも1曲ではなくアルバム全体に上がった。

『AMORTAGE』は曲を集めたアルバムではなく、順序のあるアルバムだった。「earthquake」が愛の始まりの揺れを扱い、「Your Love」がその愛が深まる時期を、「TEARS」が別れを、「Hugs & Kisses」がその後の解放感を収める。4曲が一つの関係を最初から最後まで追っていく。

JISOO's AMORTAGE mini album concept photo, seated in a chair on a floor scattered with papers
AMORTAGE concept photo · © BLISSOO

成果も後に続いた。『AMORTAGE』はHanteo Chart集計で発売初日に385,501枚が動き、その年の国内ソロ歌手で最も高い初日販売を記録し、初週には520,318枚に達した。タイトル曲「earthquake」はBillboardのWorld Digital Song Salesで1位に立った。

同年10月には、英国の歌手Zaynと共に歌った「Eyes Closed」でBillboard Hot 100に72位で初登場した。JISOOがソロ名義でHot 100に名を刻んだのはこのときが初めてであり、これによりBLACKPINKはメンバー全員がソロでHot 100に入った初のガールグループとなった。同じ月、ソロ発売曲を合わせたSpotifyの累計再生が10億回を超えた。8曲で925日かけて到達した記録であり、韓国の女性ソロ歌手としては初だった。

削ぎ落とした場所に残るもの

ステージ上のJISOOは、多く動く側ではない。激しい群舞で視線を引き寄せるよりも、指先の角度と表情、そしてステージ全体の絵を合わせることに力を注ぐ。「FLOWER」のポイント振付が短尺動画プラットフォームで大きく広がったのも、動作が複雑だったからではなく、一度見ればまねできるほど簡明だったからだ。

こうしたやり方は曲を選ぶ基準から生まれる。JISOOはNYLONのインタビューで、個人的な好みだけで曲をすべて選べばステージで見せられる幅が狭くなると語った。だから振付と衣装、コンセプトが共に噛み合う音楽を選ぶのだという。歌を選ぶことと舞台を設計することを別々に置かないという意味である。

JISOO performing earthquake, facing forward while the dancers around her turn to the side
earthquake performance video · © BLISSOO

2025年3月には初のソロツアーに出た。マニラを皮切りにバンコク、東京、マカオ、台北、香港、ハノイまで、7都市で10回公演した。グループの名なしに自分の名だけでアジアを回る日程だった。ステージではスタンドマイクを使ったり編成を絞ったりして、声がそのまま届く構成を幾度も選んだ。

削ぎ落とす態度は舞台の外でも同じかたちで現れる。JISOOが2023年1月、自身の誕生日に開いた個人YouTubeチャンネルに上がるのは、作り込まれたグラビアのような映像ではなく、移動する車の中や楽屋の時間だ。

削ぎ落とすことは隠すことではなく、何を見せるかを決めることである。視線を引きそうなものを一つずつ消していけば、最後に歌とそれを歌う人が残る。JISOOのステージは、その場所に向かって整えられている。

まだ題のないアルバム

2026年9月4日、JISOOは新しいシングル「CLICK」を出した。シンセとベースを前に出したダンスポップで、惹かれてはいけないと知りながらも自然に通じてしまう二人の瞬間を扱う。フィーチャリングなしで一人で歌う。ミュージックビデオはJoseph Kahnが演出し、タイのバンコク北東部で撮影された。

この曲はそれ自体で完結するシングルではなく、初のフルアルバムの先行曲である。いま公開されたのは第一章の最初の一行というわけだ。

コンセプトも以前と異なる。『AMORTAGE』が愛のいくつもの段階を明るい側から扱ったとすれば、「CLICK」は暗い遊園地のイメージを借りてきて、惹かれる気持ちと不安が入り混じる場所を描く。

JISOO's CLICK teaser image, holding a teddy bear with glowing eyes in a dim interior
CLICK teaser image · © BLISSOO

そしてこの曲のクレジットに、新しい場所がもう一つできた。JISOOは作詞に名を上げ、今回は編曲にも共に上がった。 編曲とは、曲の音をどう配置するかを決める仕事である。何を歌うかが記録されていた場所に、それがどう聞こえるかまで記録され始めた。

「FLOWER」から「CLICK」まで3年かかった。そのあいだに音楽の性格も、名前が置かれる場所も少しずつ移ってきており、今回の曲はその移ってきた場所から出た最初の結果だ。暗い遊園地のイメージも、編曲に残った名前も、先立つ3年なしには今の場所に置かれなかっただろう。

ところがこの曲はアルバムの始まりにすぎない。題も発売日も決まっていない正規アルバムが複数の曲に分かれて順に公開される予定であり、次の曲がこの方向を引き継ぐのか、それとも覆すのかはまだ分からない。最も遅く始めて最も少ない曲を出した人が、その少ない曲ごとに何かを変えてきたのなら、残る曲で何がまた変わるのかは見守るに値する。