K-pop

MEOVV:BLACKPINKから8年、Teddyが手がけた初のガールグループがすでに証明したこと

メンバー5人がそろったMEOVVのグループコンセプトフォト
© THEBLACKLABEL

2024年9月、K-POPシーンにはおなじみの懐疑が短く流れた。BLACKPINK以来8年ぶりにTeddy Parkが自ら陣頭指揮を執った初のガールグループ、MEOVVがデビューシングル「MEOW」を携えて登場したとき、英語圏の批評家(Asian Junkie、The Bias List)と韓国のファンコミュニティは似たような問いを共有していた。「TeddyはBLACKPINKの方程式を超えられないのではないか」「BABYMONSTERがすでにデビューしているのに、もう一組の『YG系譜のガールクラッシュ』に何の意味があるのか」。この懐疑は、デビュー初日からMEOVVにつきまとう影となった。

2年が経った今、その懐疑を支えていた前提の多くは崩れ去った。1st EP『MY EYES OPEN VVIDE』は2025年10月、25万枚以上を売り上げたアルバムに与えられるKorea Music Content Association(KMCA)のプラチナ認定を受け、Billboard World Albumsチャートでは初週21位で初登場したのち、2週目に最高4位まで上昇した。2026年6月にリリースされた2nd EP『BITE NOW』は、発売初週だけで30万1,725枚(Hanteo Chart調べ)がファンの手に渡ってグループ最高記録を更新し、Billboard World Albumsチャートに7位で初登場した。2026年10月現在、MEOVVのSpotify月間リスナーは500万人に迫り、公式Instagramのフォロワーは320万人を超えている。BillboardのJeff Benjaminは、グループについて「MEOVVは将来性を感じさせる幅広さと大胆なアーティスト性を示してK-POPシーンに飛び込み、自分たちだけのレガシーを爪で刻もうとしている」と書いた。

本稿は、2026年10月12日にリリースされたシングルアルバム『GO HARD』に合わせて更新し、韓国・アメリカ・日本の多国籍5人組MEOVVが、デビュー直後の懐疑をいかに自分たちだけの領域へと変えてきたのかをたどる。


1. 音楽的アイデンティティ ― ミニマル・ハイエンド・ヒップホップと猫の二面性

MEOVVの音楽は、第5世代K-POPガールグループ市場で主流となっている二つのルート ― 過剰にプロデュースされたマキシマリスト・ポップ、あるいは爆発的な高音を軸にした楽曲構成 ― のどちらとも正面からはぶつからない。その代わりにグループが手にしたのは、重く抑制の効いたベース、ローファイな質感のビート、そしてメンバー一人ひとりの声のトーンを前面に押し出す「ミニマル・ハイエンド・ヒップホップ」という領域だ。デビュー曲「MEOW」から際立っていたこのアプローチは、空白を楽器で埋めるよりもメンバーの低音域のラップとグルーヴで満たすことで、西洋のメインストリーム・ポップが好む「effortlessly cool(さりげなく洗練された)」ムードをそのまま作品に引き込んだ。

シグネチャーのキャットクロー振付を披露するMEOVV
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グループ名そのものが、この音楽的な姿勢を凝縮している。「MEOVV」は「My Eyes Open VVide」の略で、「W」を二つの「V」に分けたタイポグラフィ的な仕掛けだ。デビューのメディアショーケースでEllaは、二つのVが生む視覚的なかたちがメンバーそれぞれの個性を表すのにふさわしいと説明し、Annaは「激しく力強い音楽と強烈な色」と「かわいく穏やかな一面」を併せ持つ、シックでありながら時に愛らしい二つの顔を持つ猫を表すために、猫の鳴き声をグループ名にしたと明かした。この「鋭く研ぎ澄まされた ↔ さりげなくなめらか」という二面性は、デビュー以降のディスコグラフィー全体を貫いている。自己宣言として機能した「MEOW」、ミニマルなアレンジのなかで歌声の質感を見せたR&B寄りの「TOXIC」、ライバルに警告を放つアグレッシブな「BODY」を経て、グループは1st EP『MY EYES OPEN VVIDE』でジャンルの幅を一気に広げた。ダークなヒップホップを土台にポップロックを加えた「HANDS UP」と、静かに始まりロックサウンドへと転じるタイトル曲「DROP TOP」である。

この流れは、グループ自身がその時期をどう捉えていたかとも重なる。2025年5月の『MY EYES OPEN VVIDE』ショーケースで、NarinはThe Korea Timesに「デビューした頃、私たちのイメージはシックでツンとした黒猫と強く結びついていました。でも今回のEPでは、さまざまな個性を持つカラフルな猫たちのように、もっと幅広い魅力を見せようとしました」と語った。「シックでツンとした黒猫」というひとつのコンセプトから、さまざまな色を持つ猫たちの群れへ ― その広がりを最も的確に要約しているのは、メンバー本人である。

同時期の批評家の視線は両面的だ。英語圏のレビュー(Asian Junkie、The Bias List)はいまなお「MEOVVのパフォーマンスはかなりBLACKPINK色が濃いが、それは予想どおりだ」と系譜上の類似を指摘し、Korea HeraldのLim Hee-yoonは2025年秋に「第5世代K-POPグループには、まだはっきりとしたリーダーがいない。2年目に入るMEOVVにとって、今こそ自らのアイデンティティを定める重要な時期だ」と書いた。一方で、同じ媒体が認めている点もある。MEOVVは高音の軍拡競争に加わる代わりに、グルーヴのある低音域のボーカルと端正なフローによって、第5世代ガールグループ市場のなかで最もはっきりとした自分たちの音域を手にしているということだ。


2. グローバル設計 ― 韓国・アメリカ・日本の多国籍5人組とCapitol Records

MEOVVがデビュー初期に英語圏メディアで素早く取り上げられた背景には、「Teddy Parkの初のガールグループ」という話題性だけでなく、最初の一行からグローバル市場を前提に組まれた設計がある。5人のメンバーは韓国(Sooin、Narin)、アメリカ(Gawon、Ella)、日本(Anna)に分かれる。GawonとEllaは英語をネイティブとして話し、Annaは日本語をネイティブレベルで操る。デビューのメディアショーケースでは、5人が韓国語・日本語・英語・中国語・スペイン語で順に挨拶を披露した。

MEOVVメンバー5人の個人コンセプトフォト
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この多国籍の顔ぶれは、デビューの2週間前、2024年8月28日に発表されたCapitol Recordsとのグローバルパートナーシップへと直結した。ハリウッドのCapitol Records Towerの屋上には5匹の黒猫のシルエットが投影され、共同プレスリリースはグループを「獰猛で、熱っぽくざわめき、そして見事にシック。MEOVVはK-POP新世代の頂点へと爪を立てて駆け上がっている」という一文に凝縮した。このグローバルなチャネルはすぐに動き出した。2024年11月、BillboardはMEOVVを「K-Pop Rookie of the Month」に選出して単独インタビューを掲載し、The Hollywood Reporter、Teen Vogue、Clash、Elite Dailyが相次いで特集を組んだ。日本市場では2025年7月、Universal Music Japanから日本デビューシングル「ME ME ME」をリリースした。Kao CorporationのヘアケアラインMEMEMEのキャンペーンソングだ。2025年2月にはL’Oréal Parisのグローバルアンバサダーに選ばれ、活動の場はビューティー領域にまで広がった。

数字は、この設計がデビュー1年目にどこまで届いたかを示している。1st EP『MY EYES OPEN VVIDE』はBillboard World Albumsチャートで2週目に最高4位を記録した。Hanteo Chartでの発売初日の販売枚数は8万8,954枚と第5世代ガールグループのデビューEPのなかでもトップクラスで、累計販売は約28万2,000枚に達し、KMCAのプラチナ基準である25万枚を超えた。2025年8月には、KCON LA 2025(LA Convention CenterとCrypto.com Arena、3日間の累計来場者は約12万5,000人)でアメリカでのライブデビューを果たした。メインセットの6曲(「MEOW」「BODY」「TOXIC」「LIT RIGHT NOW」「HANDS UP」「DROP TOP」)に加えてBrown Eyed Girlsの「Abracadabra」をカバーしたこのステージについて、Timid Magazineは「MEOVVはすでに私の目を引いていた。このステージで、彼女たちは私の関心を完全につかんだ」と評した。同じ時期、PEOPLEは「Fall 2025 Emerging Artists」リストで「K-POPファンかどうかにかかわらず、MEOVVはあなたが次に夢中になる存在になる」という一文とともにグループを紹介している。

このグローバル設計は、BLACKPINKのやり方とは意図的に異なる。BLACKPINKがDua LipaやSelena Gomezとのコラボレーション、Coachellaのヘッドライナーといった道筋で「スーパースター」として西洋市場を制したのに対し、MEOVVはより小さく速いチャネルを並行して動かしている。Eric Namの人気ポッドキャスト『Daebak Show』にGawon、Narin、Ellaが出演し、練習生時代や音楽的ビジョンを英語で語った回。TikTokのショート動画でのバイラルを中心に据えたマーケティング。日本、アメリカ、ビューティーの各チャネルを、デビュー後1年以内にすべて稼働させたスピード。その結果として生まれたのは、権威的なスーパースターというより同世代のティーンアイコンに近い距離感であり、グローバルファンダムはその距離感のもとでグループの周りに集まってきた。


3. メンバーの主体性 ― GawonとNarin、作詞クレジットを自ら積み上げるグループ

MEOVVを単に「Teddyのグループ」と呼ぶ説明は、ディスコグラフィーを見れば成り立たなくなる。メンバーの制作参加は、デビュー以来はっきりとした曲線を描いて増えている。

Gawonはオハイオ出身の韓国系アメリカ人で、YG EntertainmentではNewJeansのDanielleとともに練習生として過ごしたのち、THEBLACKLABELへ移った。トレーニング期間は通算6年以上にのぼる。Narinはデビュートレーラーの段階から巧みなラップを披露し、グループのメインラッパーとしての地位を確立した。二人が初めてそろって作詞クレジットに名を連ねたのは2024年11月のダブルシングルに収録された「TOXIC」で、NarinはBillboardに「TOXICはとてもエモーショナルで、とても正直な曲です。より弱さをさらけ出しています。自分たちで歌詞を書いたので、この曲にはいっそう強い思い入れがあります」と語っている。

1st EP『MY EYES OPEN VVIDE』では、Gawonがタイトル曲「DROP TOP」の作詞にクレジットされ、アルバムを締めくくるR&Bトラック「LIT RIGHT NOW」はGawonとNarinの共作詞だ。後者についてGawonはTenAsiaに「練習生時代に、NarinとプロデューサーのTeddyさんと一緒に作詞に参加した曲です。普段は人前でアイデアを出したり歌詞を書いたりするのが苦手なのですが、居心地のいい雰囲気のおかげで挑戦しやすくなりました」と振り返った。2025年10月のデジタルシングル「BURNING UP」でも、GawonとNarinはそろって作詞クレジットに名を連ねた。この曲はJersey clubとBrazilian funkの要素を取り入れたトラックだと伝えられている。

2026年6月の2nd EP『BITE NOW』で、この曲線はさらに一段上がった。収録5曲のうち4曲の作詞にメンバーがクレジットされ、タイトル曲「DDI RO RI」と「Revenge」ではGawon、NarinにEllaが加わった。作曲と編曲は依然としてプロデューサー陣が担っているが、レコーディングブースのなかでメンバーが担う役割は広がっている。Gawonはショーケースで「PDさんから5人でお互いにディレクションしてみたらとアドバイスをいただいて、本格的にディレクションに挑戦しました」と明かした。歌詞を書くことにとどまらず、互いのレコーディングを導く作業まで、メンバー自身の手に移し始めたのである。

作詞クレジットの曲線は、メンバーのインタビューのトーンと並べて読むとより鮮明になる。GawonはHypebaeの単独インタビューで「これからはMEOVVとして、そしてレーベル初のガールグループとして自分たちを確立するために、自分たちだけのアイデンティティを築くことと、5人のそれぞれ異なる個人として、女の子として、ありのままの自分を受け入れることに集中しています」と語り、Ellaは同じインタビューでグループの1年目を「これはMEOVVという氷山の一角にすぎません」の一文でまとめた。1年後、「BURNING UP」のリリースに合わせたプレスリリースでは、Narinの言葉のトーンが目に見えて引き締まっている ― 「今回のカムバックにかける情熱は、これまでで最も強く、真剣です。この5か月間、あらゆる面で自分たちをリセットする時間を持ち、チームとしての目標と決意を改めて確かめてきました。」

これは、MEOVVがBLACKPINKの系譜の模倣とは別の何かへ向かっていることを示す、より明確なシグナルのひとつだ。メンバーが自ら曲を書くこと自体が、音楽のクオリティを保証するわけではない。しかしそれは、グループの物語を誰が動かしているのかという問いへの答えを、決定的に変える。


現在のチャプター ― 『GO HARD』、猛獣の次に見せる顔

GO HARDの絆創膏を貼ったMEOVVメンバー5人のティーザークローズアップ
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2026年10月12日18時(KST)、MEOVVはシングルアルバム『GO HARD』でカムバックした。2nd EPから4か月ぶりとなる今作には、タイトル曲「GO HARD」と「Indestructible」の2曲が収録されている。5人のうちNarin、Gawon、Ella、Annaの4人が、両曲で作詞にクレジットされている(Bugs調べ)。発売当日に公開された紹介文は、今作を「自己発見、立ち直る力、そして前へ進む勇気に根ざした、成長のメッセージを届ける作品」と説明した。先に公開されたビジュアルは、そのメッセージを言葉より先に示していた。アルバムカバーには今にもちぎれそうなほどぴんと張られた鉄の鎖が写り、ティーザーでは5人それぞれが「GO HARD」と書かれた絆創膏を顔に貼っていた。

その顔がどこから来たのかは、前のチャプターが示している。6月の『BITE NOW』は、デビュー以来続いてきた猫の物語を猛獣の側へと押し進めたアルバムだった。Narinは今作に「MEOVVの猛獣のような強烈な姿を込めた」と語り、Sooinは、普段は愛らしい魅力を見せながらステージでは強い捕食者へと変わる、そんな「愛らしい捕食者」という呼び名を得たいと話した。デビュー時の「鋭く研ぎ澄まされた ↔ さりげなくなめらか」という二面性は、事実上「愛らしい ↔ 捕食者」へと書き換えられたわけだ。

しかし、その活動期にグループの顔となったのはタイトル曲ではなかった。メンバーは今作で3曲分のパフォーマンスを同時に準備しており、Annaは「それをやりながらたくさんのことを学んで、自分が成長していくのを感じた」と振り返った。そのうちの収録曲「Hit ‘Em」はフォローアップ曲として再びステージに上がり、Spotifyの再生数でタイトル曲「DDI RO RI」を上回った。8月のKCON LA 2026でグループを見たBillboardのJeff Benjaminは、この曲の振付を「本当に過酷で、アスリート並みの有酸素運動がたっぷり詰まっている」と描写したうえで、「幸い、MEOVVはそのすべてを見事にやり切った」と書き添えた。「Hit ‘Em」には「This ain’t no cat fight, we big dogs」(これは猫のケンカなんかじゃない、私たちは大きな犬だ)という歌詞もある。猫として出発したグループが、その比喩を自らの手でひねってみせた一節だ。

『GO HARD』は、その比喩をさらに一歩手放す。ティーザーの中心にあったのは、猫でも猛獣でもなく、絆創膏と鎖だった。デビューから『BITE NOW』までMEOVVが答えてきた問いが「自分たちは何者か」だったとすれば、今回のティーザーが投げかける問いは「傷を負ってもなお、どう前へ進み続けるのか」に近い。発売当日の紹介文が挙げた言葉、つまり立ち直る力と「前へ進む勇気」も、同じ方向を指している。傷を隠す代わりに、絆創膏を顔に貼ったまま立つ5人の姿 ― それが、猛獣の次にMEOVVが差し出す顔である。

MEOVVがBLACKPINKの座をそのまま受け継ぐわけではないという答えは、この2年間の記録がすでに出している。残るのは、自分たちだけの領域をどこまで広げるかだ。「GO HARD」と「Indestructible」がその次の章をどんなサウンドで開いたのかは10月12日18時(KST)に明らかになり、11月のKGMA、12月のAAAのステージはこれからだ。猛獣の次の顔がステージの上でどんな表情を見せるのか、注目したい。